こんにちは。
資産形成ネタ、投資編です。
今日は、企業の財務諸表の見方について紹介しようと思います。
「財務諸表」なんて聞くと難しそうに感じますが、一つ一つ意味を理解していけば、意外と簡単なので、この機会に少し勉強してみませんか?
身につけた財務諸表の知識は、株式投資で大いに活用できます。
せっかく株式投資をするからには、できる限り儲けたいですよね。
というわけで、今日は、主に株式投資という視点から、財務諸表について考えていきたいと思います。
20代の若いうちから知っておくと、将来、投資以外にも大いに役立つはずです。
それでは、順番に見ていきましょう。
Contents
100%儲かる銘柄は存在しない!財務諸表を自分で分析してみよう

まずは少し心構えについて。
初めにはっきり書いておきますが、必ず儲かる銘柄や手法は存在しないということを理解しておきましょう。
世の中には様々な情報が溢れていますが、甘い言葉に騙されてはいけません。
簡単に儲かるという話ほど、疑うべき。
おすすめの銘柄ということであれば、今の時代、情報は本やインターネットに溢れていますよね。
そこで一番重要なことは、なぜその銘柄がおすすめなのか?ということ。
その理由を自分自身でも少し考えるように心がけるだけで、今後の結果がかなり変わってくるはずです。
単に本やネットに載っていた銘柄を買うのではなく、しっかり自分で納得してから買う方が、将来のリターンは必ず大きくなると思います。
魚を与えてもらうのではなく、魚の獲り方を覚えれば、その先も魚を獲り続けられる、というわけですね。
ぜひ20代の若いうちに、魚の獲り方を勉強していきましょう。
さて、必ず儲かる方法はないですが、儲かる確率を上げることは可能です。
その大きな助けになるのが、財務諸表というものです。
企業の財務諸表とは何か?

急に難しそうな話になりますが、心配はいりません。
一つずつ押さえていけば、誰でも必ず理解できるお話です。
財務諸表とは、一言で言うと、企業の台所事情です。
稼ぐ力はあるか、資産はどれくらいあるか、現金は十分あるか、など。
まぁ考えることは、企業でも一般家庭でも同じですよね。
一般家庭でも、家計簿をつけて、収入や貯金を管理していると思いますが、それと同じようなもの。
少し話が逸れますが、家計簿をつけていない方はいますぐ始めましょう。
家計簿はお金持ちへの第一歩です。
家庭と企業の違いは、企業はその財務情報を公開していること。(投資家からお金を出してもらっているので、投資家に対して公開する義務があります)
せっかく公開されている情報ですので、活用しない手はありません。
…話を財務諸表に戻しましょう。
まず言葉の定義ですが、財務諸表とは以下の三つを指します。
- 損益計算書 (Profit&Loss Statement)
- 貸借対照表 (Balance Sheet)
- キャッシュフロー計算書 (Cash Flow Statement)
ん~、なんだかものすごく難しそうですよね。
詳しい&専門的な解説は他サイトを参照するとして、本記事では、どういうものか(イメージ)について分かりやすく解説してみます。
参考:【財務諸表の基礎知識】経営者が知っておきたい3つの書類
損益計算書(Profit&Loss Statement)
まずは損益計算書から。
その名の通り、損失と利益を計算したものになります。
企業が一年間でいくら稼げたか(あるいは損をしたか)を表します。
売上から始まり、原価、営業利益、経常利益、純利益といった言葉が並びます。
大まかに言うと、
- 本業(その企業の仕事)での儲けが営業利益
- それ以外の儲けや損失(例えば利息など)を加えると経常利益
- そこから税金を引いて手元に残るのが純利益
となります。
サラリーマンに例えると、本業の年収がいくら、副業や投資の収入がいくら、手取りがいくら、といった意味合いですね。
利益がしっかりと出ているか、売上に対する利益率などを見ておくと良いと思います。
貸借対照表 (Balance Sheet)
続いてこちら。
よく日本語でも、バランスシートと呼ばれます。
実際に表を見るとわかりますが、
- 左側の資産
- 右側の負債+純資産
が、必ず同じ値となる(=バランスする)ので、こう呼ばれます。

貸借対照表のイメージ図。左右がかならず等しくなる(バランスする)ため、バランスシートとも呼ばれます。
バランスシートが表すのは、企業の資産と負債。
サラリーマンに例えると、貯金がいくらあって、借金がいくらあるかといったイメージですね。
注意点としては、多額の借金をして資産を買っている場合です。(ローンで家や車を買っている場合に相当)
この場合、一見、資産は多いように見えます。
しかし、実は借金で無理をしている状態なので、あまり良い状態とは言えないかもしれません。
だた単に多い少ないの話ではなく、このような観点で見ると面白いと思います。
キャッシュフロー計算書 (Cash Flow Statement)
最後はこれ。
おそらく一番イメージしづらいかと思います。
そもそもキャッシュフローとは、その名の通り、「お金の流れ」を意味します。
ものすごく簡単に言うと、自分の手元にお金がいくらあるか、ということです。
個人の給料だと毎月決まった日に振り込まれるので、あまりピンとこないかもしれません。
しかし、企業の売上や支払いというのは、とても頻繁に発生しますよね。
例えば、売上額はたくさんあるが、実際にそのお金(売上金)が入ってくるのがかなり先の場合、要注意です。
注文はもらったが、それを作るための材料を買わなければいけないので、売上金が入ってくるまで、ある意味、赤字状態になります。
売上金が入ってくるまでの間、手元のお金でしのげればよいですが、しっかり計算をしておかないと、お金が足りない!ということになりかねません。
これを計算するのが、キャッシュフローです。
資金繰りを考える上ではとても大切なものですので、この機会にイメージだけでも掴んでおきましょう。
株の投資で重要なPERとPBRとは?

さて、財務諸表について何となく理解できたところで、ここからが今日の本題。
冒頭でも触れたように、儲かる銘柄の選び方です。
そのために絶対外せない知識が、次に示すPBRとPERです。
証券口座サイトや四季報には必ず出てくるので、ぜひ中身を理解しておきましょう。
もちろん、上で説明した財務諸表を使って計算することになります。
PBR (Price Book-value Ratio):株価純資産倍率
まずはPBRから。
定義は次の通りです。
PBR=株価÷一株当たり株主資本
…何それ?って感じですよね。
順番に説明していきます。
まず、意味するところは、現在の株の価値が、企業が持っている資本(お金)の何倍か?です。
単位は「倍」で、1より高ければ株価は割高、1より低ければ株価は割安と言えます。
分かりやすく、例を考えてみましょう。
例えば、資本が10,000円の会社の株が100株あるとします。(実際有り得ませんが、簡略化のため)
すると、1株当たりの資本は、当然、10,000円÷100株=100円/株になりますね。
もし、この企業の株価が100円であれば、PBR=100/100=1.0。
株価と、一株当たりの資本が同じ価格なので、1倍になります。
この場合、100円という株価は、資本という観点で考えれば妥当であると言えますね。
しかし、もしも株価が200円であれば、どうでしょうか?
この場合、PBR=200÷100=2.0。
株価が、一株当たりの資本の2倍もするということになり、株価が割高であると言えます。
逆に、株価が50円であれば、PBR=50÷100=0.5。
株価が、一株当たりの資本の0.5倍なので、株価は割安。
100円の価値がある株を、50円で買えるのですから、割安ですよね。(あくまでも資本という観点では)
どうでしょう、何となく理解できましたか?
つまり、PBRは、”資本(貯金みたいなもの)に対して、現在の株価が高いか安いかを見る指標”なのです。
基準は1で、1より大きければ割高、逆に小さければ割安となります。
PER (Price Earnings Ratio):株価収益率
PBRの次はPERです。
前節で説明した通り、PBRは資本と株価の関係を表す指標でした。
一方、PERは、企業が稼ぐ力(利益)と株価の関係を表します。
いくらPBRが割安だからと言っても、稼ぐ力がなかったら(極端な例だと赤字)、投資しようとは思いませんよね。
人間に例えると、立派な家と車は持っているが、収入が全然ないニートといった感じでしょうか。
さすがに投資は控えたくなりませんか?
さて、PERの定義は次の通りです。
PER=株価÷一株利益
考え方はPBRと同じで、今度は一株当たりの利益です。
ただし、PERの割高/割安基準は1.0ではありません。
日経平均のPERを基準とするならば、14くらいです。(2016年9月現在)
なぜPBRの基準(1倍)とこれほど違うのかというと、指標の意味を考えると分かりやすいです。
PERは、分母が一株当たりの利益になっていますよね。
つまり、”現在の株価が、一年で稼げるお金の何倍か”、
言い換えると、”何年で投資額(株価)を回収できるか”、を表していることになります。
この値が仮に1.0であれば、株価分はわずか一年で回収できるということになり、とても魅力的な銘柄になります。
すると、買いたい人が増え、株価は上昇して、PERも大きくなっていきます。
これが、売りたい人が出てくるまで上がるので、ある値に落ち着くというわけ。
これが、日経平均だと14という数字になるんですね。
このPER、日経平均の14という数字はありますが、単純に比較することはあまり適切ではありません。
なぜなら、業界によっても変わりますし、企業の成長度合いによっても変わるからです。
一つ例を考えてみましょう。
ある企業の株価が一株200円、この年の純利益が1,000円、発行株式数が100株としましょう。
一株当たりの利益は、1,000円÷100株=10円/株です。
この時PERは、200÷10=20倍となります。(つまり元をとるのに20年かかる)
日経平均の14倍と比べると割高なので、投資はダメ?と思いますよね。
ところが、これは利益が毎年一定だった場合のお話。
仮に翌年、純利益が2倍の2,000円になったらどうでしょうか?
他の条件が同じだとすると、PERは一気に半分の10倍になりますよね。
このように、継続的な成長が見込める企業であれば、PERが日経平均よりも高くても、必ずしも割高とはいえないのです。
特にベンチャー企業などはこういった例が多いです。
結論としては、PERだけで判断するのではなく、あくまでも一つの指標として捉えましょう。
財務諸表や指標の意味を理解し、投資を楽しもう
さて、投資銘柄を選ぶために役立つ指標について、財務諸表とPER/PBRを紹介してきました。
もちろん、これらから判断すれば必ず儲かるわけではありません。
しかし、指標やその意味を知っておくことで、儲かる確率や株式投資の楽しさは大きくなると思います。
儲かると、さらに興味が出てきていろいろ調べる。
そしてさらに儲かる可能性が高くなる、といった好循環が生まれます。
また、これらの知識は、将来、起業や経営を目指す方には必須だと思います。
もちろん、それ以外の方でも、20代のうちから知っておいて&勉強しておいて絶対に損はないはず。
まずは、自分の勤める会社を例にして、一度財務情報を見てみてはどうでしょうか。
自分の会社はこんな会社だったんだ?!と新しい発見があるかもしれません。
さぁ、ぜひ始めてみましょう。

儲かる株を探すためには、財務諸表とPER/PBRを理解しよう。数字の表す意味を知ることで、儲かる確率を上げることができる。20代の若いうちに理解しておけば、将来、起業や経営にも活用できるので絶対損はない!